「フリー~〈無料〉からお金を生みだす新戦略」クリス・アンダーソン

フリー~〈無料〉からお金を生みだす新戦略を読み終えた。
流行っていた頃、アチラコチラでこの内容に触れる話題が聞こえてきていて、すっかりと読んだ気になってしまっていたくらいだったのですが、遅ればせながらようやくちゃんと読んだ。

アトム(原子)の時代のフリー、つまり20世紀以前にあった現実世界でのフリーモデルの例として19世紀末から20世紀初頭の、ゼラチンを売るためにゼラチンのレシピ本をただで配る例やジレットの安全カミソリ無料サンプルと替刃需要の例が出ている。
これに対し21世紀、今の我々はビット(情報)の時代のフリーという新しい局面に入っており、ビットの世界で何かを作ると潤沢さ故にそれが無料かそれに近い状態にまでなることで新しい経済モデルが作られていると説いている。
このビットの時代のフリーを様々な例を持って解説をしている。

フリーの価値を測る計算あたり、例えばバーガーキングのキャンペーンからfacebookの時価総額を計算してみるなど、ちょっと「んん?おかしくない?」と疑問の浮かぶ部分はあるものの、フリー経済が21世紀的な流れであることには素直に頷ける内容でした。

読みながら、アトムの世界で行われるお祭り(お神輿とか出てくるリアル祭り)も、ある意味フリーモデルだなぁと思った。コアの価値(お祭りであるなら歩行者天国にしてそこをお神輿が練り歩いている世界の一体感と高揚感)をフリーとし、その周辺に金銭の絡む部分が配置されている。
そして、これに近い状態が実はニコ動なのだなとも感じた。ニコ動の場合のコア価値(各動画をみてコメントする一体感と高揚感)はフリーだがその周辺に金銭の絡む部分を配置するあたり。そういう意味で言うと、やはりニコ動で有料動画、有料放送が増えるのは、あまりよくない方向なのかもしれない?

いずれにせよ、この本の最後の方の反論まとめ、付録として付いているルール、戦術は機がある度に読みなおすことになるだろう。

解説サイト http://www.freemium.jp/

 

Comments

  1. [...] アトムとビットについては以前のエントリーでも紹介した「フリー~〈無料〉からお金を生みだす新戦略」とも関連が深い。 この2冊は時代は違えど、同じ価値観に基づいて書かれている。 [...]