「超訳 古事記」鎌田 東二

気がつけば技術系のエントリばかりになっているけれども、特にそういう縛りはこのブログでは考えていなかった。
ということで今回は技術系以外の本で、超訳 古事記

宗教学者でありフリーランス神主として活躍する鎌田東二氏が、ミシマ社の三島さんという編集者の前で語った物語をベースにしたという、ちょっと風変わりな方法で作成された古事記の現代語約であり解釈。
これがとても分かりやすくて、面白い!
子供の頃に童話を聞かせてもらった時のあの感じだ。
文章に書かれている部分のみでなくそれぞれのキャラが頭の中で更に自由に動き回るようだった。
「原古事記」は稗田阿礼が語り、太安万侶が文字起こしした、その試みを再現したいという言葉がよくわかる。古事記はこの語り言葉で語られるのが最も本来に近いのだと理解ができる。

日本の神々はマヌケだったり猜疑心が強かったり横暴だったり不貞腐れたりと人間味あふれる。
例えば見るなと言っているのに、伊弉諾が伊邪那美をのぞき見たり、豊玉姫が山幸彦をのぞき見たりする物語などだ。
そしてフリとオチのフォーマットは、こんな昔から確立されていたんだなぁなどと読みながら思った。

あと手に取るととてもしっくりとくる、そして読みやすく、美しい装丁の素晴らしさは特筆すべきだ。